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最果てのパラディン

ファンタジー世界の転生ものではありますが、全体を支配する雰囲気が独特な作品です。

タイトルの印象もあると思いますが、全体的に落ち着いていて「黄昏の時代」のようなことが浮かぶほどです。

登場人物は絞られていますが、読者にも明かされない背景をもったままのため具体的な掘り下げがスロ―ペースです。
しかしながらその状態で展開される日常の場面が静かに積み重なっていて、後にくるであろうカタルシスのための準備に思えてきます。

それを感じてしまうと、日常の場面の一つ一つが大切な思い出の一場面にも感じられ、結果として独特の世界観を作っているのでしょう。

派手さはそれほどないですが(派手な演出もありますがそれすら全体の雰囲気にのまれている印象です)、作品の全体像自体が持つ影響力が強い珍しい作品です。

異世界転生ものでハーレムやら無双やらに飽食気味の方には特におすすめできそうです。

『最果てのパラディン』の特徴

  • 少ない登場人物
  • 静かな日常と思い出
  • 当初は明かされない背景

『最果てのパラディン』の絵柄

デッサンが狂うこともなく安定してこうレベルの絵です。

表紙自体がイラストとして完成されていますが、中身も相応の絵だと思って間違いありません。

アクションがだめということではないのですが、作品の影響か静かな場面の絵が特に良く雰囲気を十分に味わえるでしょう。

『最果てのパラディン』の見所

見所はやはり「世界」でしょう。

彼らがどこで、どういう背景を持ち、何を考え、どのように行動しているのか?ということが作品世界をしっかりと形作っています。

それらが絵やセリフから存分に感じられ、作品に引き込まれるほどに読者側がいろいろと想像してしまうことになります。

結果として描かれている以上の物語を読むことができるため、どれか1つの要素いうよりは、作品世界そのものが見所と言えます。

『最果てのパラディン』のKindle予約情報

2巻が2018/10/25に発売されました。

『最果てのパラディン』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/10/25
次巻3巻
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効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める

転生ものですが、時間軸を遡る人生やり直し系なので世界はそのままです。

生涯を魔導の研究と修練に捧げたものの、老人の時点でめざした方向性と才能の乖離が問題であると気付いて人生のやり直しを決意というのが冒頭の流れです。

老人が少年時代に戻るので知識や経験がチート能力のようなものですが、魔導の才能自体は生まれ持ったものでしょうからその意味では控えめなチートかもしれません。

とはいえ本来知り得ない魔法の技術を知っているアドバンテージは高く、効率的な修練を重ねることが可能になるため成長速度はチートそのものではあります。

可愛い女の子や色気のある女の子に囲まれて過ごすことになるようですが、中身が老人で体が子供という設定のために読者としてはどう読めばいいのか戸惑う作品です。

心や頭に合わせて老人視点なら孫ほどの年齢の女の子が相手になりますし、体に合わせて少年視点なら中身が老人設定を意図的に無視する形になり、この作品を読む意味もないように思えるためです。

感情移入がしにくいか作品もしれません。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の特徴

  • 人生をやり直す
  • 魔法特化
  • 中身と体の年齢ギャップ
  • 可愛い女の子とのハーレム

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の絵柄

絵自体は問題なくうまいといえるものですが、なぜか古さを感じてしまいます。

恐らくキャラクターの顔というか「目」の描き方が原因ではないかと考えていますが、あまり自信はありません。

多少ごちゃつきもキツく何を描いてるのか分からない時もあります。

悪くはないのによく見えない絵という印象です。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の見所

「成長物語」が見所です。

人生をやり直す動機が魔導の再修練ですから、自分の望む方向に成長するために努力する物語となるため、必然的に成長過程が最大の見所になります。

知識はあれど能力が追いつかない状況(ゲーム的ですがレベルが足りてない状態)ですから、その時々に出来ることを裏技的なものまで駆使して行う必要があり、その創意工夫を見るのはおもしろいと思います。

攻略サイトを見ながらプレイしているような感覚で、「今このタイミングならあそこでああすれば経験値もお金も稼げる」などと考えて行動している様子を見ている感覚です。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』のKindle予約情報

なし。4巻が2018/4/12に発売されました。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』のKindle新刊既刊情報

最新巻4巻
発売日2018/4/12
次巻5巻
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シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説

異世界転生ものもいろいろ出ていますが、この作品はシロクマに転生です。

シロクマといえば寒冷地なのですが、単に「白い毛皮のクマ」という感じで舞台は温暖な森の中の模様です。

人語を話す2m以上のクマが主役(享年28才)のため、チート的な能力はありそうですがなによりもまず体格と筋力的に人間以上であり、物理的に敵なしという感じです。

獣人(ウェアウルフ)の姉妹を助けたことで共に暮らすようになるため、獣人の女の子を愛でる物語でもあります。

お決まりの獣人差別や奴隷的なものあるので、そういった基本は抑えつつ主役が少し変わったものをという方向けの作品です。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の特徴

  • 動物に転生
  • 獣人の少女
  • 虐げられた獣人
  • 森での生活

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の絵柄

シンプルな線で分かりやすい絵といえます。

主役が人間ではなくクマなので骨格などが気になる部分はありますが、デッサン崩れと呼ぶ程のおかしさはありません。

動物自体の描写は上手く、しっかりとした技術を感じます。

同様に森ということで背景には気やら草やらが多く出て来ますが、疎密をうまくつかっている印象で問題は感じませんでした。

獣人の少女など女性は可愛らしく描けていますが、モブの男性(ヤラレ役のひげ面中年男性等)の描写が案外良く、キャラクターは全体的に良い感じに見えます。

特筆すべき絵柄ではありませんが、安心して見られる絵だと思います。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の見所

「主役がシロクマ」が見所です。

他の転生ものの差別化としてストレートに「主役を人でもモンスターでもなくクマにする(ただのクマということではありませんが)」という方法で解決を図っており、逆に言えばそこが全てです。

人間でない故のメリットデメリットを活かすか殺すかで評価は変わるでしょう。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』のKindle予約情報

2巻が2018/7/23に発売されました。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/7/23
次巻3巻
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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

同名の小説のコミカライズですが、コミックの作者と小説の挿絵を書いている方が同じなので、表紙ではコミックなのか小説なのかぱっと見み気付きづらく、購入時には注意してください。

ゲーム世界に転生ものですが、主役は女性(TSではなく女性が女性のキャラクターに転生します)で転生先は乙女ゲームです。

乙女ゲームといえば女性向けですが、内容も絵柄も、男性読者であっても充分に楽しめる作品です。

転生先の登場人物はゲーム内での敵役でこの設定自体は他作品でも見られますが、8才になった時点の怪我で突然「私は転生した」と覚醒するのがちょっと変わっています。

前世ではそれなりに活発が17才の女子高生だったようで、覚醒後はお転婆な性格と行動を示すようになります。

1巻ほぼまるごと幼少期にあてていて、舞台の説明を行うと共に、今後の展開に備えつつキャラクターの掘り下げもこなすという質の高い構成に思えます。

単にコミックとしても幼少期の話は面白く、「破天荒な貴族の子供が周囲に好影響を与える」という1つの物語として成り立っていて読み応えもあります。

女性はもちろん男性にもお勧めできる作品です。

絵柄

さすがに挿絵を既に描いている方なので、キャラクターの統一感が崩れることなく自由に動かしている感じがします。

女性向けコミックは主線が細いことが多いですが、この作品は男性向けの線に近く男性が見ても違和感はあまりないはずです。

コメディっぽい場面でのデフォルメもよいのですが、おなじ場面にツッコミ役的なメイドが描かれている構成がとても良いと思います。

このメイドはデフォルメされていない場合が多く、「他の人が見たらこう思うだろう」という客観的な視線を与えており、主役のコミカルさに引っ張られすぎない適度な距離感を保つ重要な要素ではないでしょうか。

絵柄や画面構成共に安心して見られます。

脳内会議と飛び抜けない才能

主役が脳内会議を行う作品はありますが、この作品も脳内会議が行われます。

ただし頻繁にではなく、重要な方針決定時など限定的な演出なのでクドくなく丁度良い塩梅です。

転生もといえばチート能力ですが、この作品の主役にはチート能力がありません。

一応設定的には希少価値のある魔法の才能はありますが、作中で「土ぼっこ」と呼ばれる「少し地面を盛り上げるだけの土魔法」しかつかえず、しかも努力しても「土ぼっこ」の高さが変わる程度の代物で、チート能力とはまったく違います。

この努力も方向がちがったようで、最終的に「趣味は土いじり(農業)」という形に落ち着いてしまします。

かといって前世の知識を活かして変革や産業革命を、という場面もありません。

転生先のゲーム世界の知識を持っていると言う点では十分なチートではあるのですが、作品を読むとこの知識の恩恵はほどんどん崩れていくためこれままたチートとはいい難く。

主役の設定自体にも魅力のある作品です。

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のKindle予約情報

2巻が2018/10/25に発売されました。

『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/10/25
次巻3巻
発売日情報なし
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無職転生 ~異世界行ったら本気だす~

異世界もののなかでも初期のものかと思いますが、色々と詰め込みつつもまとまっている作品です。

主人公は転生であり、赤ん坊の状態からスタートします。
そのため異世界ので人間関係を子供が成長する期間で構築していくため、関係性に厚みがでてきます。

勇者召喚的なものではないですが、神らしき人物からの接触が切っ掛けで物語が展開していく場面もあり、なんらかの使命を帯びているのだとは思います。

特筆すべきなのは、転生前の主人公の姿がそれなりの頻度で登場する点です。

転生後は美男子ですが、転生前はいわゆる「キモオタデブメガネ」という形でギャップが激しく、転生前の姿が登場することで以前の人生があった事実を再認識させれて、物語との距離感が微妙に保たれている気がします。

他の作品では転生前の姿はぼんやりだったり特徴のない描き方をしていますが、それは転生前の印象を薄くして「転生後の主人公のイメージを崩さない」ためで、無職転生の描き方とは違います。

物語は魔法の才能と知性に長けた主人公が動き回る話になりますが、単調ではなく結構な起伏があります。
その起伏は主人公だけではなく他の登場人物にも影響していて、シリアスなシーンの必要性にも通じています。

異世界ものは「明るいだけの物語」「暗いだけの物語」と極端なものが多い印象ですが、無職転生は明るい場面も暗い場面もあり作品として非常にまともな作りです。

異世界転生ものに興味があるならば一度読んでみて損はないと思います。

絵柄

非常に上手いです。

1コマの書き込み量が相当で、他の異世界ものとは一線を画しています。

人物は髪や瞳の描写が繊細で、表情の作り方も感情が伝わるように描かれています。

難しいアングルでもデッサンが崩れる事はあまりなく、人物を魅力的にみせるための描き方も抜群です。

水や木々等の自然描写もしっかりしていて、迫力のある嵐のシーンも再現できるほどです。

キャラクターデザイン的には古さをそれほど感じませんが、それはおそらく服装や髪型よりも人物自体が魅力的に描かれているからでしょう。

エロ方向の描写

エロ方向の描写は割とあります。

主人公がそれなりに下心満載なので、スカートの中を覗こうとしたり、巨乳キャラの胸を凝視したりと、割とストレートに描かれています。共に旅する女の子にエロい視線を向けるのも度々です。

描き方も、胸や尻や足(わりとこれが多い気がします)を強調するアングルが多用されますし、肉感的な描き方もされているのでエロさはしっかりあります。

多少驚くのは、主人公が転生した先の家族(父・母・メイド)内のいざこざで、父とメイドが不倫して子供ができるというシーンがある点です。

小さい子がいる家庭で不倫というのをよく描いたなと思いますが、この子供は後に登場しますし何らかの役割があるのかなとも思います。

主人公が子供なので主人公絡みでは「スケベ」程度の表現ですが、一応エロい表現がある点は気にした方がよいかもしれません。

『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のKindle予約情報

9巻が2018/10/23に発売されました。

『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のKindle新刊既刊情報

最新巻9巻
発売日2018/10/23
次巻10巻
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駆除人

異世界転生ものですが、職業が害虫害獣駆除者という変わった設定です。

異世界にそういう職業があるわけでなく昆虫型やネズミ等の小動物型の魔物を専門に狩るという感じなので、ゴブリンスレイヤーなどのタイプになります。

倒し方も少し似ていて、前世の知識で毒物を作りそれを蒔いて依頼を達成していきます。

剣や魔法でどうこうではなく殺鼠剤でまとめて倒すという点はまさに「駆除」ですね。

作中で早々にレベルが上がり能力値がチートと変わりない感じになりますが、一応理由としては「駆除した小物の死骸を森に捨て、それを食べた中型の魔物と、さらにそれを食べる大型の魔物までも毒物で倒したことになった」のだと思います。

それでも上がり過ぎですが。

主人公は多少無気力気味ながらも職人肌で、他の作品の主人公と比べても好感が持てます。が、読み進めると違和感が。

一言でいえば自分がない感じで、中身をあまり感じませんでした。状況毎に機械的に反応しているようにも見えて、いい意味でも悪い意味でも欲を感じず、かといってそれが達観や諦観からとも見えず。

対して、ヒロインらしき亜人の女性は真逆で感情的過ぎてよくわからないキャラクターです。一緒に登場した男性亜人は性格付けも分かりやすく好感が持てましたが。

一話完結でその街だけに存在するゲストキャラクターが出てくるという形式ではなく以下のような流れがあります。

  1. ゲストキャラクター登場
  2. 発端となる物語の終わりで仲間に加わる
  3. 違う街まで旅をして、そこで出来事が起こりゲストキャラクターと別れる

一話完結型の亜種のような印象ですが、旅を挟んでの分かれというのが思った以上にゲストキャラクターへの感情移入をさせるものだと感じられ、面白い構成だと思います。

設定や構成は面白そうなのですが、エロ関係の違和感や唐突感が気になるので今後どうなるのかがやや不安な作品です。

絵柄

崩れのないしっかりとした絵柄で、女性は可愛くキレイに描かれています。

キャラクターの動きも表現されていて構図も上手な印象です。

ギャクっぽいシーンではしっかりとデフォルメが効いており、緩急もちゃんとしています。

背景の書き込みも細かいことが多く、特に単調になりやすいパターン(積み上げたレンガなど)を見る限り妙な手抜きはありません。

木々の表現も上手く、遠近表現だけでなく場面毎に風景の描写で雰囲気を作ることもされていて実力を感じます。

エロ表現あり

主人公1人なら問題なかったのですが、女性キャラクターが出てくるとエロ表現が突然差し挟まれます。

原作準拠なのだとは思いますが、描写に手抜きをしないせいで色気シーンもそれなりにエロさがあり、そういう方面が好きな方むけの作品かと思ってしまいました。

2巻では空想の場面とはいえ結構なSEXシーンが差し挟まれていてます。

エロを求めて読むには分量がたりませんが、エロを求めていないのなら描写がしっかりし過ぎという、微妙な問題を感じます。

『駆除人』のKindle予約情報

2018/4/26に2巻が発売されました。

『駆除人』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/4/26
次巻3巻
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異世界建国記

異世界もので、タイトルが示す通り国を作るというテーマの作品です。

チートスキルありの主人公ですが、転生時に若返り、最初に出会うのがグリフォンという点は他と違うところです。

グリフォンというと獣のイメージですが、この作品では知性があり神獣のような扱いで、ドラゴン等の立ち位置のようです。

このグリフォンが、縄張り内で拾い集めた子供のところに主人公を連れていって本格スタートとなります。

国造りがテーマなので仕方ないといえば仕方ないのですが、うろ覚え的に使われる知識が広範かつ有益な結果をだすというご都合主義的な流れがあります。

スタート時点で子供しかいないため失敗させている余裕はないのですが、もう少し説得力のある設定や展開はなかったのかなと疑問です。

当初は洞窟で、グリフォンが持ってくる生の食材だけという状態から、村の跡地を利用したり農業をしたり特産品を考えたりと生活基盤をつくっていきますが、子供の人数が多い割に群像劇的な展開は薄いように思えました。

子供だけの集団をどう成長させるのか、という点に魅力を求める索引だと思うので、今後の展開次第という感じです。

絵柄

商業レベルですしデッサンが狂いすぎることもなく、しっかりした絵柄だと思います。

が、どうも軽いというか全体的に薄く白い印象です。

キャラクターの輪郭線を上手く描いていて、緩急で人体の構造(肉や骨など)を表現できていると思うので、絵のレベルは高いと思います。

対して輪郭線内部の描写(服の皺や肉体の重なり具合の線表現など)が省略されていて、そこが薄く白く見える理由なのかもしれません。

この描き方を見ると、なんとなくカラーイラストが得意な方なのかなという印象でした。色トレスなどをうまく使える感じです。

『異世界建国記』のKindle予約情報

2巻が2018/9/25に発売されました。

『異世界建国記』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/9/25
次巻3巻
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転生したら剣でした

異世界ものですが、転生対象が人間やモンスターなどの生物ですらない無機物の「剣」です。

剣がどうやって主役にと思いましたが、そこはファンタジー。魔力で自在に動き回れるようになって解決です。

序盤ではちゃんと成功はしていませんが人型の分身を作る能力も得ているので、今後そういう展開もあるのでしょう。

基本的に剣だけでかなりの強さという設定ですが、それを活かして相棒として獣人の少女「フラン」が登場します。

異世界ものではよくある「可愛く幼い奴隷の獣人娘」で、庇護欲をそそられるかと思います。

獣人の扱いは悪いですが、獣人の中でももっとも蔑まれている種族(黒猫族)ということで、自分より下がいない境遇からの成り上がり物語でもあります。

なお、基本的には主人公の便利機能でガンガン成長していくので弱い期間は短いです。

絵柄

剣のデザインが装飾過剰ですが、この辺りは原作のこともあるのでどうこうはいえません。

その他も原作準拠らしい部分はおいて、全体的に線がやや細い印象です。

デッサンが特別くるっていたり、素人のような絵ということではなく、しっかりと商業レベルの絵であるのですが重さがないというか軽く見えます。

そのせいか残酷な場面でもあまり生々しさがなく、それが良いと感じる人も、悪いと感じる人もいそうな絵です。

気軽に見れるという点では良いと思います。

基本的にはフランを愛でる物語

状況や設定は色々ありますが、強い武器である主人公がフランの成長を助ける様を見るという、読者にとっては「フランを愛でる物語」だといえます。

その点で、自分が成長するよりも相棒を成長させることに楽しみや面白さを感じる方にお勧めできる作品です。

父が娘を守るように。彼女を彼氏が守るように。そんな関係性の物語ですね。

『転生したら剣でした』のKindle予約情報

Kindleは紙媒体の発売と同時に購入可能になるため、予約はできません。

なお、4巻は2018/9/21に発売されました。

『転生したら剣でした』のKindle新刊既刊情報

最新巻4巻
発売日2018/9/21
次巻5巻
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転生したらスライムだった件

異世界ものに限らす幅広くみても、絵柄も内容も素晴らしい作品です。

転生先としてゴブリンにも劣る最弱モンスターのスライムを選びつつ、その特性を活かして生きて行く姿を描くサクセスストーリ。という感じでしょうか。

とはいえ、補職した相手の力を得るという能力のために冒頭の伝説級のキャラクターを補食した時点で相当に強くなってしまい、少しづつ強くなっていくような成長ものとは少し違います。

基本的にモンスターや亜人(ドワーフ)が登場し、人間はあまり出て来ません。話が進めば対人間の物語も描かれるでしょうが、とりあえずは人外中心です。

仲間といいますか賛同者を増やしていくのですが、その過程で「名付け」を行いそのキャラクターのレベルがあがります。
こういう場合のお約束的に、レベルが上がると人間の姿に近くなり、人外感はやや薄れます。

物語全体では、モンスター中心の国づくり的なものがあるようで内政系といえ、魔法などがあるので微妙ですが多種族との戦争や外交も描かれています。

盛りだくさんなので一つ一つの印象は弱いのですが、絵の美味さもありキャラクター中心で読むととても楽しめる作品です。

絵柄

個人的に好きな川上泰樹さんが絵を担当しているので、文句なしで良い絵です。

線が単調ではなくややザラついており、絵物語といいますか、非常に雰囲気のある絵柄です。

デッサンの崩れもありませんし、アクションシーンの動きなども必見の絵です。

キャラクターの造形としては美男美女がやや面長になる傾向を感じますが、そこまで気になる程ではなく川上さんの特徴的な絵柄という認識でよいと思います。

肝心のモンスターなどのクリーチャーデザインも秀逸で、あまりかっこ良くないはずの豚モチーフのオークですら魅力的です。

他にも「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」や「まおゆう魔王勇者 外伝 まどろみの女魔法使い」などを書かれているのでコミカライズの経験も豊富で腕も一流です。

亜人の種類

今のところスライムは主人公だけですが、以下のような亜人やモンスターが出て来ます。

  • ゴブリン(美形/マッチョ/おちゃらけ)
  • ドワーフ(ひげ面職人)
  • ドライアド(甘いモノ好きの美人)
  • エルフ
  • 狼(主にベッタリの獣)
  • 昆虫(蜂とかクワガタ的なのとか)
  • 鬼(オーガだが日本風)
  • オーク(豚)
  • リザードマン(水かきあり)

種族ではなく恐ろしく強くなった固体として「魔王」も存在しています。

精霊もいますが、特定のエピソードに絡んでいるだけで存在感はありません。

初期はゴブリンのみで役職付きになったりするのですが、種族が増えると極たまにしか登場の機会がありません。一部はメイン並に登場はしますが、仕方が無いとはいえ残念です。

少ししか出番がありませんが、まんま昆虫のモンスターが傘下に加わるのは興味深い所です。

中2的な表現

コミックではなく原作の要因なのですが、「飢餓者」と書いて「ウエルモノ」とルビをうつ場面があり、こういう点が個人的には中2感が強くてだめでした。

キャラクターの戦闘服にスーツ的なのがあるのも同様に中2感があり、他の要素から浮いている印象です。

気にならない人がほとんどでしょうし、気になってもある程度慣れるので無視できるでしょうから、問題にはならないと思いますが。

『転生したらスライムだった件』のKindle予約情報

10巻が2018/12/7に発売されました。

『転生したらスライムだった件』のKindle新刊既刊情報

最新巻10巻
発売日2018/12/7
次巻11巻
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公爵令嬢の嗜み

ゲームの世界に転生というのは他にもありますが、対象が乙女ゲームでチート能力なし(現代の知識を持っている時点でチートですが)という珍しい設定です。

乙女ゲーの世界なので美男子や美中年が多く出てきますが、男性でも十分に楽しめる作品です。

理由としては、各キャラクターの背景や正確付けがしっかりしており、ハーレム系の「主人公を中心に全てが回っている人達」では無い点が挙げられるかもしれません。

もちろん乙女ゲー的な振る舞いをみる場面が多いのですし、敵役の「嫌な女」もでてくるので、その辺りが気になる場合もあるかとは思いますが、全体的に見れば些細な部分に思えます。

テーマ的には領地経営なので内政系です。

主人公が既にそれなりにレベルの家柄であり領地も簡単に手に入る状態のため、既にある領地の発展を図るという感じです。

平行して王族貴族の宮廷内闘争や派閥闘争の影響を受けるという部分もあり、定番な安定感もあります。

絵柄

線が細めで人物の造形も少女漫画よりですが、背景に花が飛んだりなどはあまりない印象で、男性にも読みやすいです。

むしろ背景はしっかりとしているので、世界観の構築に腐心されているように見えます。

男性漫画にありがちな縦にも目が大きいタイプではなく、横に長い、いわゆる「切れ長の瞳」のキャラクターが多く登場します。

それだけに物憂げな表情が映えますし、年齢も高めに見えやすいので、ロリ系の絵柄から遠ざかりたい人にもお勧めできます。

『公爵令嬢の嗜み』のKindle予約情報

5巻が2018/11/2に発売されました。

『公爵令嬢の嗜み』のKindle新刊既刊情報

最新巻5巻
発売日2018/11/2
次巻6巻
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異世界のんびり農家

農業といいますか集落作成と運営をテーマにしている印象です。

主人公が世界を救わないタイプで、あまり我欲もなくわりとフラットな印象なのですが、後で加わるエルフやバンパイアの女性と日替わりでSEXするという意外性のあるキャラクターです。

リザードマンの村への加入時には「これで男が増えるから抱く人数が減って助かる」という感じの思考をするなど、貞操の観念は欠落している模様です。

描写として行為のシーン自体はないのですが、キャラクターの1人が懐妊して他のキャラクターも子供が欲しいという出来事もあり、珍しいぐらいストレートなハーレムを形成しています。

しかしながら最初に仲間になるのは狼型のモンスターで、他には蜘蛛も仲間になり、多少の多様性はあります。

狼と蜘蛛は子孫をガンガン増やしていくようで、子供が巣立つシーンも一応あります。

タイトルには農家とありますが、農業は添え物程度の印象なのが残念です。これなら「田舎暮らし」などの方がまだあっていたでしょう。

戦闘はほぼありませんが主人公が「キレたら怖い」系らしく、戦闘系のチート能力者物語的なものも微妙に見え隠れしています。

原作があるので無理な話ではありますが、せっかく「異世界のんびり農家」と入っているのですからもっとスローライフな方向にいってくれればと願うばかりです。

絵柄

絵自体は悪くはないのですが、動きが堅いといいますか、キャラクターが止っているように見えることが多いです。

アングルにあまり変化がないのも原因かもしれません。定点カメラで見ているような印象です。

動きのない絵で作られたコミックは静止画の連続と同じなので、場面がぶつ切りであまり没入感は得られないでしょう。

絵本的な印象です。

『異世界のんびり農家』のKindle予約情報

2巻が2018/7/5に発売されました。

『異世界のんびり農家』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/7/5
次巻3巻
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