社会派の記者ものですが、ミステリーぽいもののオカルト系です。
過去の災害(というか事件というか)や主人公と妻の関係なども絡めつつカルト宗教の実態を探る、というのが当初見えるストーリーラインですが、潜入取材中にそのカルトの「神様」に関する絵を見たことでオカルト方向に流れていきます。
この「神様」が単なる精神的な空想ではなさそうで、社会派の漫画ではなくオカルトスリラーという位置づけがふさわしいでしょう。
ただし、現代の社会人が主人公のため、登場人物や物語の背景には現実感が強くその意味では「社会派」は外せません。
ファンタジーやSF、過剰なエロポーズやハーレムといったもの以外の、現代が舞台で大人が主役の漫画を読みたい方にはおすすめです。
『やわらかな鋭角』の特徴
- 社会派オカルトスリラー
- 記者が主人公
- 過去のトラウマや辛い経験
- カルト宗教とその神様
『やわらかな鋭角』の絵柄
中年男性もやや女性的な雰囲気が残る独特の絵柄ですが、しっかりした絵で描かれています。
作品的に人間の内面を除くという部分がありますが、表情や仕草に内面を語らせようという意図も見え、表情の作り方や見せ方に工夫が多く見られます。
背景もしっかりしており、現代の街並やオフィス内などもちゃんと描いていてレベルが高いです。
『やわらかな鋭角』の見所
「現代的な登場人物」が見所です。
主人公を含め、現代で職を得て活動している大人ばかりですから、現実世界のドラマのように人物に存在感があります。
それぞれの背景が全て語られることはないでしょうが、垣間見える部分が想像を刺激しますし、それがさらに厚みを持たせています。
オカルトに流れているので人間ドラマとまでいえませんが、人間の弱さや儚さなど登場人物自体に興味がもてるはずです。
『やわらかな鋭角』のKindle予約情報
なし。2巻が2018/4/13に発売されました。
『やわらかな鋭角』のKindle新刊既刊情報
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