ドラゴンを「狩猟対象」「食料」「素材」として配置して、そのドラゴンを専門に狩る「捕龍船」と乗務員の物語です。
群衆劇の要素もありますが、メインの男女がおり、男性は凄腕で料理の腕もいいもののやや無愛想なヒーロータイプ。女性は元気な新人という感じです。
ドラゴンはよく題材にされますが、この作品では装備を整えた人間の集団に狩られる存在です。
ただ、生態等に不明な点も多く、巨躯は人間の脅威でもあり、恐れられる存在でもあります。
龍を狩ることの意味、龍の狩り方、龍の食べ方、龍の活かし方、龍を主軸にいろいろ多くのテーマが盛り込まれていて、読み応えある作品となっています。
反面メインのテーマが薄いように感じるかもしれませんが、「ドラゴンと人間の話」という筋は通っているので、そこを基本に読むと迷いなく楽しめると思います。
『空挺ドラゴンズ』の特徴
- 巨大な龍と人間
- 狩られる対象としての龍
- 捕鯨船のイメージ
- 龍を使った料理
- 可愛い女性、きれいで強い女性
『空挺ドラゴンズ』の絵柄
非常に上手い上に、味といいますか情感のある絵です。
通常でも動くシーンでもッサンに狂いはなく、キャラクターの顔のアップもハイレベルという状態で、特に気になることはありませんでした。
龍のデザインも考えられていて、一種類のトカゲや蛇のようなフォルムだけではなく、生物として多様性のある姿にデザインされています。
「龍」を「種の総称」のように捉えているのでしょう。
カラー表紙はやや宮崎駿さんのテイストもあり、こちらも必見です。
『空挺ドラゴンズ』の見所
「龍と人」が見所です。
龍を扱う作品は多いですし、龍を狩るという作品も多いですが、この作品で描かれる人と龍の距離感は少し特殊に見えます。
龍は恐れられているもの、生活の一部に含まれていて人間側から感じる距離感は近いように思います。
対して、龍の側からの感情や思考はほぼ語られず、そのこと自体が現実の動物と人間の関係性により近く感じさせます。
種も違えば言葉も通じないのに、狩るために近づく人と龍の微妙な関係をどう描くのかに興味をそそられます。
『空挺ドラゴンズ』のKindle予約情報
5巻が2018/11/7に発売されました。
『空挺ドラゴンズ』のKindle新刊既刊情報
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