異世界ものに限らす幅広くみても、絵柄も内容も素晴らしい作品です。
転生先としてゴブリンにも劣る最弱モンスターのスライムを選びつつ、その特性を活かして生きて行く姿を描くサクセスストーリ。という感じでしょうか。
とはいえ、補職した相手の力を得るという能力のために冒頭の伝説級のキャラクターを補食した時点で相当に強くなってしまい、少しづつ強くなっていくような成長ものとは少し違います。
基本的にモンスターや亜人(ドワーフ)が登場し、人間はあまり出て来ません。話が進めば対人間の物語も描かれるでしょうが、とりあえずは人外中心です。
仲間といいますか賛同者を増やしていくのですが、その過程で「名付け」を行いそのキャラクターのレベルがあがります。
こういう場合のお約束的に、レベルが上がると人間の姿に近くなり、人外感はやや薄れます。
物語全体では、モンスター中心の国づくり的なものがあるようで内政系といえ、魔法などがあるので微妙ですが多種族との戦争や外交も描かれています。
盛りだくさんなので一つ一つの印象は弱いのですが、絵の美味さもありキャラクター中心で読むととても楽しめる作品です。
絵柄
個人的に好きな川上泰樹さんが絵を担当しているので、文句なしで良い絵です。
線が単調ではなくややザラついており、絵物語といいますか、非常に雰囲気のある絵柄です。
デッサンの崩れもありませんし、アクションシーンの動きなども必見の絵です。
キャラクターの造形としては美男美女がやや面長になる傾向を感じますが、そこまで気になる程ではなく川上さんの特徴的な絵柄という認識でよいと思います。
肝心のモンスターなどのクリーチャーデザインも秀逸で、あまりかっこ良くないはずの豚モチーフのオークですら魅力的です。
他にも「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」や「まおゆう魔王勇者 外伝 まどろみの女魔法使い」などを書かれているのでコミカライズの経験も豊富で腕も一流です。
亜人の種類
今のところスライムは主人公だけですが、以下のような亜人やモンスターが出て来ます。
- ゴブリン(美形/マッチョ/おちゃらけ)
- ドワーフ(ひげ面職人)
- ドライアド(甘いモノ好きの美人)
- エルフ
- 狼(主にベッタリの獣)
- 昆虫(蜂とかクワガタ的なのとか)
- 鬼(オーガだが日本風)
- オーク(豚)
- リザードマン(水かきあり)
種族ではなく恐ろしく強くなった固体として「魔王」も存在しています。
精霊もいますが、特定のエピソードに絡んでいるだけで存在感はありません。
初期はゴブリンのみで役職付きになったりするのですが、種族が増えると極たまにしか登場の機会がありません。一部はメイン並に登場はしますが、仕方が無いとはいえ残念です。
少ししか出番がありませんが、まんま昆虫のモンスターが傘下に加わるのは興味深い所です。
中2的な表現
コミックではなく原作の要因なのですが、「飢餓者」と書いて「ウエルモノ」とルビをうつ場面があり、こういう点が個人的には中2感が強くてだめでした。
キャラクターの戦闘服にスーツ的なのがあるのも同様に中2感があり、他の要素から浮いている印象です。
気にならない人がほとんどでしょうし、気になってもある程度慣れるので無視できるでしょうから、問題にはならないと思いますが。
『転生したらスライムだった件』のKindle予約情報
10巻が2018/12/7に発売されました。
『転生したらスライムだった件』のKindle新刊既刊情報
- 巻別ページ
-
0人がこの記事を評価
役に立ったよという方は上の「投票する」ボタンをクリックしてもらえると嬉しいです。
連投防止のためにCookie使用。SNSへの投稿など他サービスとの連動は一切ありません。