異世界ものの中でも内政に力をいれている作品です。
主人公のソーマは人間的にできすぎている(冷静/合理的/胆力/知性/判断力/行動力/情がある)ため資質ですでにチート感があり、よくある転生後の能力は「物に自分の意識をコピーして操る」という「アイテム操作(+並列思考?)」というチート能力持ちです。
ただ、1巻ではアイテム操作の能力は状況に説得力を持たせる(膨大な書類を短時間で片付けるための理由付け)に用いられた程度で、ソーマ個人の資質で状況を大きく変えていく、という感じのようです。
元の世界の知識を異世界で使うという構図はありがちですが、他の作品に比べると物語に占めるウェイトが大きいため、この作品の特徴になり得ています。
また、作者があとがきで書いているように「物語を丁寧に描く」という方向性のため、駆け足で「〇〇を実行して即成果がでる」ということはなく、短いながらも状況説明や過程の描写が挟まれる点に好感がもてました。
少し違った異世界もので、最初から国単位で変革を起す物語に興味があればお勧めできます。
絵がうまい
商業で出版されているのになにをいまさらという話ですが、絵がうまいです。
おかしなポーズや絵の崩れもありませんし、背景がスカスカだったり妙な擬音語や語尾が乱発されていたりということもなく、安心して読めます。
内政というテーマと相まって、腰を据えて読めるコミックだと思います。
また、個人的には女性の露出が少ないのも良いです。
なんとかして下着を見せて、その下着にこれでもかとシワを書いて局部を強調するようなこともありませんでした。
一応色気担当のようなキャラクターはいますが、見た目がそうなだけで気になるレベルの描写はかなったと思います。
基本的には人材の登用
主人公の出番は多いですが、「主人公以外の人間が命令を実行して動いている」という状況が描写がされています。
多くの人間が状況に関与していることが示されててい、物語世界がしっかりと演出されていると感じました。
また、「何か新しいことを実行する」となった場合は新たな(あるいは既存の)人材とセットで進行していくことになり、結果的に人材登用が重視される物語と言えます。
今の所はですが「山に隠遁している賢者」のような特殊な人材ではなく、市井や山野に埋もれた人材が対象なのでその意味でも好感が持てますし、新たな人材が増えていくこと自体に面白さも感じます。
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