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最果てのパラディン

ファンタジー世界の転生ものではありますが、全体を支配する雰囲気が独特な作品です。

タイトルの印象もあると思いますが、全体的に落ち着いていて「黄昏の時代」のようなことが浮かぶほどです。

登場人物は絞られていますが、読者にも明かされない背景をもったままのため具体的な掘り下げがスロ―ペースです。
しかしながらその状態で展開される日常の場面が静かに積み重なっていて、後にくるであろうカタルシスのための準備に思えてきます。

それを感じてしまうと、日常の場面の一つ一つが大切な思い出の一場面にも感じられ、結果として独特の世界観を作っているのでしょう。

派手さはそれほどないですが(派手な演出もありますがそれすら全体の雰囲気にのまれている印象です)、作品の全体像自体が持つ影響力が強い珍しい作品です。

異世界転生ものでハーレムやら無双やらに飽食気味の方には特におすすめできそうです。

『最果てのパラディン』の特徴

  • 少ない登場人物
  • 静かな日常と思い出
  • 当初は明かされない背景

『最果てのパラディン』の絵柄

デッサンが狂うこともなく安定してこうレベルの絵です。

表紙自体がイラストとして完成されていますが、中身も相応の絵だと思って間違いありません。

アクションがだめということではないのですが、作品の影響か静かな場面の絵が特に良く雰囲気を十分に味わえるでしょう。

『最果てのパラディン』の見所

見所はやはり「世界」でしょう。

彼らがどこで、どういう背景を持ち、何を考え、どのように行動しているのか?ということが作品世界をしっかりと形作っています。

それらが絵やセリフから存分に感じられ、作品に引き込まれるほどに読者側がいろいろと想像してしまうことになります。

結果として描かれている以上の物語を読むことができるため、どれか1つの要素いうよりは、作品世界そのものが見所と言えます。

『最果てのパラディン』のKindle予約情報

2巻が2018/10/25に発売されました。

『最果てのパラディン』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/10/25
次巻3巻
発売日情報なし
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黒の召喚士

異世界のチートものですが、画力と話の構成が上手く、軽目で楽しめる作品です。

自分にマイナスの設定を課すことで過剰なチートを得るというタイプですが、そのマイナスに「記憶」を選んだため、転移ものであるにかかわらず転移前の状態がないも同然になっている点が特徴です。
見方をかえれば、異世界転移ではなく単に異様に強い現地人の物語ともとれてしまいます。

チート能力の他に転移を行った女神を仲間にしているなどお約束的な部分が目に付くこともありますが、初期においては適度な突っ込み役と程度の存在なのでまだ良いように思います。

タイトルにある通り「召喚士」なのでモンスターを手駒に加えていき、そこがやはり面白さの1つだと思います。主人公以外が活躍する場面が見られますので。

ただし召喚というより従属という感じで、某ボールを投げて対象を捕まえるゲームのような仕組みに思え、「別の世界から何かを呼び出して用いる」というのを想像すると違和感があるかもしれません。

基本的に戦闘メインらしく、そのあたりの割り切りが読みやすさに繋がっていると思います。
話が進むに連れて妙に戦闘狂(バトルジャンキー)と強調する場面が多く、キャラクターの特徴付けのためとはいえ何度も繰り返されると辟易する部分もあります。

具体的な描写はほぼないものの2巻にてセックスシーンがでてきます。
鈍感主人公ではないので流れ的に違和感もすくなく嫌な感じは受けませんが、そこまでの必要性も感じませんでした。

「黒の」と付くあたりに中2感が強いですが、その点はあまり気にせず気楽に読めて楽しめる作品だと思います。

『黒の召喚士』の特徴

  • 転移物なのに転移前の記憶がない主人公
  • モンスターを引き連れての活躍
  • 勢いのある戦闘シーン
  • 敵対者は必要に応じて命を奪い、後悔などはなし
  • 転移を行う女神も共に行動

『黒の召喚士』の絵柄

絵柄に特徴もありつつデッサンに狂いもなく、アングルの変化にもきっちり対応していて上手い絵です。

簡略化が強いですが手抜きにはみえませんし、むしろ背景やアクションシーンの効果描写を加味すると丁度良い人物表現に思えます。
頑張りすぎてごちゃごちゃしてしまい見づらくなった作品はわりと多くありますので。

対して質感の描写は少し微妙です。
医師や布や金属等の表現が弱くみえ、それらの存在感が薄く感じます。

とはいえ問題に思える程ではなく、充分に商業レベルだと思いますので安心して購入できます。

『黒の召喚士』の見所

「モンスター」が見所です。

せっかくの召喚ものなので、やはりモンスターの成長や関係性の変化などが見所でしょう。

戦闘メインなだけあって強者対主人公というだけではなくなるため場面に起伏も生じますし、この起伏が作品を飽きさせない要素になりえます。

残念なのは無数のモンスターを引き連れるようなものではなく、強い固体の少数精鋭になりそうな点でしょうか。

いろいろなモンスターが見られるという楽しみはあまり期待できないかもしれません。

『黒の召喚士』のKindle予約情報

2巻が2018/11/25に発売されました。

『黒の召喚士』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/11/25
次巻3巻
発売日情報なし
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復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる

異世界転移もので、女性が主人公の物語です。

少女漫画に分類されるようで、登場人物もその関係性も少女漫画よりです。

具体的には以下のような感じです。

  • 疎外される主人公
  • 主人公の疎外の原因となる女友達
  • 女友達を過度に慕う取り巻き

ただ、この関係性にはちゃんと理由があるようで、単にそれぞれの性格や過去の行き違いなどが原因ではなさそうです。

亜人も住む世界に転移させられたので人間以外もすんでいますが基本は人型で、タイトルの竜王も人型です(竜と人のどちらが本来の姿なのか分かりませんが)。

そのため姿形が異形のものとの恋という物語ではありません。

チート的なものとして「精霊に特別に愛されている」「魔力の質と量が優れている」というものがありますが、どうやら転移前からのようなので、その点は他の作品と違います。

タイトルに「復讐」とありますが、本質的にはそれほど暗い話ではなく、主人公の性格や行動のおかげで明るいめとさえ言えるお話です。

『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』の特徴

  • 女性が主人公
  • 複数人が同時に転移
  • 精霊が重要な世界
  • 精霊と亜人と人間

『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』の絵柄

まとまっていて安定感があり高レベルな絵です。

少女漫画よりですが輪郭線が薄くなく、男性にも魅力的に見えるはずです。

主人公を始め女性キャラクターは可愛く、老年男性などもしっかりとした絵で描かれていて、年齢や性別問わず描けるのだとわかります。

この絵を古いと感じる人もいるようですが、個人的には古さではなく「確かな実力のあるベテランの絵」だと感じました。

『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』の見所

「主人公」が見所です。

主人公の造形や性格や行動が魅力的で、見ていて飽きません。

単に受け身だったり流されるままだったりということではなく、どちらかと言えばやや突っ走るタイプのアクティブなキャラクターです。

ただ、このタイプにありがちな「どう考えても問題になりそうなことを気軽にやらかす」というトラブルメーカータイプではなく、根本的にはちゃんと周りを見て考えられる(ちょっとおもったことを口に出し過ぎですが)常識的な人物という点が魅力を増しているように思います。

余談ですが、時の精霊というキャラクターもとても魅力的です。

『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』のKindle予約情報

1巻が2018/4/5に発売されました。

『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』のKindle新刊既刊情報

最新巻1巻
発売日2018/4/5
次巻2巻
発売日情報なし
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マズ飯エルフと遊牧暮らし

異世界ものでグルメものですが、状況を限定して独自性をだした作品です。

主人公は突然異世界に放り出されますが、チートどころかゲーム的なスキルは一切なしで、料理の腕だけで活路を開くいうのが特徴です。

とはいえ別に料理人ということはなく、「料理が得意な少年」であり、一流の料理人が異世界でどうこうとうはなしではありません。

もっとも料理の腕と知識は相当なものに思えるので、ただの料理が出来る人というレベルとは思えませんが。

タイトルにエルフとありますが、エルフである必要すらなく単に僻地の遊牧民というのが実情に見えました。

「マズ飯」は料理が下手というレベルではなく、その世界(エルフ族だけということかもしれませんが)では料理が一品しかないような状況で、その料理が非常にマズいという意味での「マズ飯」です。

料理の概念自体が怪しい(または乏しい)という世界設定は初めて見たので、振り切った設定にしたなという印象です。

正直な所、異世界やエルフである必要性をほとんど感じないのですが、特殊な環境とキャラクターが魅力的なので充分に読み応えのある作品だと思います。

『マズ飯エルフと遊牧暮らし』の特徴

  • ゲーム的なスキルのない異世界もの
  • チートのない異世界もの
  • 魅力的なリアクションをするキャラクター
  • 料理の味に飢えた特殊な世界

『マズ飯エルフと遊牧暮らし』の絵柄

キャラクターも背景も充分に商業レベルで良い絵だと思います。

大きな特徴はありませんが一貫したまとまりを感じる絵で、作品世界全体がまとまっています。

デッサンに狂いは感じませんし、キャラクターの顔も生き生きと描かれていて魅力的です。

料理漫画と言えば、料理自体とリアクションの描写が肝になりますが、そのどちらも良い絵でした。

『マズ飯エルフと遊牧暮らし』の見所

「エルフ」が見所です。

既に書いた通りエルフというよりは「僻地の遊牧民」という認識ですが、このエルフの環境な風習などが見所です。

部族としてのまとまりがあり、それぞれに特徴を持って暮らしているようで、まさに遊牧民といった感じです。

「森に住み自然を慈しみ穏やかで知的な種族」というステレオタイプではまったくないので、エルフの概念にこだらずに楽しめるはずです。

『マズ飯エルフと遊牧暮らし』のKindle予約情報

3巻が2018/11/15に発売されました。

『マズ飯エルフと遊牧暮らし』のKindle新刊既刊情報

最新巻3巻
発売日2018/11/15
次巻4巻
発売日情報なし
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ブサメンガチファイター

異世界ものの中でも、少し軸をずらして独自性を出した作品です。

タイトルに偽りなしといいますか、不細工な顔を不細工に見えるように描いています。

当たり前に思えるかもしれませんが、「不細工な設定なのに美男子(美女)」というのがよくあるパターンなので、その意味ではちゃんとした絵です。

他にも違いとして以下の点が挙げられます。

  • 異世界に行く方法がネット掲示板に書かれている
  • マイナスの設定を付けることで能力値に割り振るポイントを大幅に獲得し、これがチートの裏付けになる
  • 異世界に来る前も不細工(明確な描写は避けられている)
  • 異世界から戻る方法があり、実際に戻って来た人もいる模様

特に3点目が珍しく、変える方法を探すというよくある目的が成立しません。

戻るためにはかなりにリスクを負う必要があるため簡単に戻れるということではありませんが、手段が用意されていることが明示されているのは珍しく、実際に戻った人間の存在も珍しい要素です。

異世界では同様にして転移してきた人物にも出会いますし、異世界という設定自体をあえて軽く描いているのかもしれません。

なお特定のゲームの世界と明示されていませんが、ステータス画面が開くなどがあるため恐らくゲーム世界ということになると思います。

基本的にコメディ方向で気楽に読める作品で、重くない作品を探しているならおすすめです。

主人公の心の声によるツッコミなどに共感を感じられますし、主人公の性格や振る舞いなどで拒否反応がでることはまずないでしょう。

『ブサメンガチファイター』の特徴

  • マイナスの設定がチートの根拠
  • 不細工な男の異世界での物語
  • チートではあるものの、常識をもって自然に力を抑えて行動している主人公

『ブサメンガチファイター』の絵柄

巻末のラフ等をみるとしっかりとした絵が描ける方というのはわかるのですが、作中ではポーズが堅く、やや未熟な印象です。

特に女性の絵が堅い印象で、絵だけでは可愛らしさをあまり感じませんでした。

対して状況の見せ方は整っていて、絵柄に左右されずにどういう場面でキャラクターはどういう心境なのかがわかるように描かれています。

主人公に関しては特徴をうまく描いていて良いと感じたので、2巻3巻と進む毎にこなれてくるのではと思います。

『ブサメンガチファイター』の見所

「不細工な主人公」が見所です。

不細工を不細工に描いているので、この点を活かした物語が展開されるのではと期待しています。

ただ、冒頭では同時にでてくるキャラクターがいい人のため主人公の不細工さに起因する問題がほぼなく(あっても軽度)、不細工であることが活かせていないように思えるので、今後の展開に期待したいです。

『ブサメンガチファイター』のKindle予約情報

2巻が2018/10/25に発売されました。

『ブサメンガチファイター』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/10/25)
次巻3巻
発売日情報なし
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空挺ドラゴンズ

ドラゴンを「狩猟対象」「食料」「素材」として配置して、そのドラゴンを専門に狩る「捕龍船」と乗務員の物語です。

群衆劇の要素もありますが、メインの男女がおり、男性は凄腕で料理の腕もいいもののやや無愛想なヒーロータイプ。女性は元気な新人という感じです。

ドラゴンはよく題材にされますが、この作品では装備を整えた人間の集団に狩られる存在です。

ただ、生態等に不明な点も多く、巨躯は人間の脅威でもあり、恐れられる存在でもあります。

龍を狩ることの意味、龍の狩り方、龍の食べ方、龍の活かし方、龍を主軸にいろいろ多くのテーマが盛り込まれていて、読み応えある作品となっています。

反面メインのテーマが薄いように感じるかもしれませんが、「ドラゴンと人間の話」という筋は通っているので、そこを基本に読むと迷いなく楽しめると思います。

『空挺ドラゴンズ』の特徴

  • 巨大な龍と人間
  • 狩られる対象としての龍
  • 捕鯨船のイメージ
  • 龍を使った料理
  • 可愛い女性、きれいで強い女性

『空挺ドラゴンズ』の絵柄

非常に上手い上に、味といいますか情感のある絵です。

通常でも動くシーンでもッサンに狂いはなく、キャラクターの顔のアップもハイレベルという状態で、特に気になることはありませんでした。

龍のデザインも考えられていて、一種類のトカゲや蛇のようなフォルムだけではなく、生物として多様性のある姿にデザインされています。

「龍」を「種の総称」のように捉えているのでしょう。

カラー表紙はやや宮崎駿さんのテイストもあり、こちらも必見です。

『空挺ドラゴンズ』の見所

「龍と人」が見所です。

龍を扱う作品は多いですし、龍を狩るという作品も多いですが、この作品で描かれる人と龍の距離感は少し特殊に見えます。

龍は恐れられているもの、生活の一部に含まれていて人間側から感じる距離感は近いように思います。

対して、龍の側からの感情や思考はほぼ語られず、そのこと自体が現実の動物と人間の関係性により近く感じさせます。

種も違えば言葉も通じないのに、狩るために近づく人と龍の微妙な関係をどう描くのかに興味をそそられます。

『空挺ドラゴンズ』のKindle予約情報

5巻が2018/11/7に発売されました。

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最新巻5巻
発売日2018/11/7
次巻6巻
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科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌

異世界転移ものですが、アラクネやハーピーなどの空想の生物に対して科学的な考証をしている点が他とは違う作品です。魔法はないようです。

クリエイターの中にはモンスターやアニメのキャラクターの骨格を作る人もいますが、この作品では骨格ではなく生物学的な面で習性なども含めた検討が行われています(筆者は生物学にくわしくないので内容の正確性はわかりかねますが)。

ただもう1つ大きな特徴がありまして、主人公が「クリーチャー娘のハーレムを作る!」と公言しており、実際に毎回セックスシーンが描かれる点です。

相手は空想上の女性というか雌というかそういうものなので、容姿や年齢などに制限がないも同然で結構危ないラインのキャラクターのシーンもあります。

一応行為の度にそれっぽい考察は入りますが、ストレート過ぎるぐらいにストレートで、この部分が好きか嫌いかが全てでしょう。

なお、現代の技術を伝えるという側面もありますがファンタジー世界の技術自体も踏まえられているため、知識や技術があれば何でもできるという展開ではありません。

そういった点では異世界という世界そのものをテーマにしたスケールが大きめの話ではあります。

『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』の特徴

  • モンスターとのセックス
  • 空想上の生物の生物学や民族額的な考察
  • 現代の技術を異世界で適用
  • ハーレム

『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』の絵柄

既にいくつかシリーズを刊行している方なので全体的に安定しています。

背景が重いというか硬質で、植物や地面等の自然な柔らかさは苦手なのかもしれません。

キャラクターは独特で、絵柄的にはロリ系ですが目が小さめなのが特徴です。

この作品のテーマ的に動物や昆虫など人間外の部位が多く出て来ますが、そちらの描写は一貫性が強くブレがなく知識による裏付けを感じます。

昆虫やは虫類などが苦手な方にはあまりお勧めできません。結構生々しいので。

『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』の見所

「クリーチャー娘」が見所です。

娘といっても種族全体ということではありますが。

良くも悪くもクリーチャー娘を描くことに注力していて、そこが気に入るかどうかは大きな分かれ目です。

『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』のKindle予約情報

3巻が2018/11/20に発売されました。

『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』のKindle新刊既刊情報

最新巻3巻
発売日2018/11/20
次巻4巻
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29歳独身中堅冒険者の日常

「村付き冒険者」という設定で冒険者の日常をテーマにした作品です。

日常といっても「シュールな異常さが日常というほのぼのもの」みたいなものではなく、冒険者としての日常的な仕事をこなして過ごすという本当の意味での日常です。

村付きということで「村の便利屋」的な位置づけですが、そこはファンタジーなのでモンスター絡みの依頼も多く出ます。

この村付きという設定を大いに活かしていて、セリフやキャラクタの行動の端々で「冒険者の日常」が表されています。

主役は中堅冒険者ということですが「強くも弱くもない」というイメージではなくて、「恐ろしく強い冒険者の中の中堅」という状態であり、弱くはなく十分に強いです。

特殊な能力の秘めていますが、その強さが「冒険者的には中堅」ということなのでしょう。

この主人公[ハジメ」が突然女の子「リルイ」と暮らすことになるところから物語がはじまります。

娘を見守るような子育て系、な感じではじまるのですがリルイの種族的能力のために物語の見え方が少し変わってしまい、その点が多少気になります。

物語的にこのリルイの能力はそこまで重要とは思えないので(もちろん重要にさせる展開になるのでしょうが)、個人的にはこういう能力はなかったほうが良かったのではと思ってしまいます。

なお中世風の世界観ではありますが、場所によっては現代と変わらない風景もあるため、時代設定はかなり緩めです。

それほど派手でもなく熱い展開もありませんが、冒険者の日常というテーマに惹かれた方にはおすすめです。

『29歳独身中堅冒険者の日常』の特徴

  • 冒険者の本当の日常
  • 突然少女と同居
  • 中堅冒険者

『29歳独身中堅冒険者の日常』の絵柄

たまにこなれてない感がありますが、全体的にはまとまっていて良い絵だと思います。

テーマ的にシリアスな場よりものんびりした場面が多いため、緩い絵柄の割合が増えます。

その緩い絵柄が少し堅いかなという印象でした。

また、動きに関してもあまり動いているような絵には見えず、動いているポーズをとっているという感じです。

テーマと絵柄はあっていますし全体的なレベルは充分だと思うので、その点は安心してお勧めできる絵です。

余談ですが、話が進むと出てくる大きなスズメが可愛いです。

『29歳独身中堅冒険者の日常』の見所

「冒険者の日常」が見所です。

「日常」を扱う作品は多いですが、大半が「異常なことが普通に起こっている日常」であり本当の日常とはいい難いものではないでしょうか。

この作品はそうではなく、ファンタジー世界の冒険者の、いつもの、普段通りの生活という意味で日常を描いています。

日常という言葉の意味が複数あるのでややこしいですが、「普通の日常」こそが見所です。

『29歳独身中堅冒険者の日常』のKindle予約情報

6巻が2018/11/9に発売されました。

『29歳独身中堅冒険者の日常』のKindle新刊既刊情報

最新巻6巻
発売日2018/11/9
次巻7巻
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銀河英雄伝説

有名な田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」を原作にして、「封神演技」の藤崎竜さんがコミカライズしている作品です。

宇宙を2分する勢力の軍事的な衝突と、民主政治と専制政治、軍人のあり方、戦略と戦術、艦隊戦、そして人間の信念や矜持や主義など多くの要素をテーマにした群像劇です。

原作自体はそれなりに古い作品ですがファンも多く未だに根強い人気のため、人気の漫画家さんがどう絵にしてくるのかというのが掲載開始時の注目点でした。

個人的にはですが、良くも悪くも藤崎さんの絵だという感想です。

藤崎さんの絵柄から以下は気になっていましたが、さすがにしっかりと調整されていたので問題は感じませんでした。

  • 手足を大きくデフォルメする
  • 金属が堅く見えない

対して、以下は懸念どうりに問題を感じます。

  • 微妙な感情表現が弱い
  • 効果音が軽い

特に効果音がダメでした。

宇宙で聞こえるのかという点は無視しますが、艦隊戦での砲撃による爆音や金属がぶつかる硬質な音などがともかく軽くPOPに見えてしまいます。

擬音語の描き方がまさに「藤崎竜」という感じで、独特な良さはあるものの作品にあっているとは到底思えませんでした。

上記が気にならないならば、問題なく楽しめるかと思います。

『銀河英雄伝説』の特徴

  • 宇宙を舞台にした群像劇
  • 宇宙戦艦同士の艦隊戦
  • スケールの大きな戦術と戦略
  • 国家や体制や人への忠誠や愛憎
  • 天才や秀才たちの物語

『銀河英雄伝説』の絵柄

既に触れていますが、藤崎竜さんらしさを残しつつ作品に合わせて調整した絵柄です。

さすがに全体の絵のレベルは高いので絵の上手下手は問題になりませんから、あとは好みや感覚で判断することになると思います。

独特のクセに好き嫌いはあると思いますが、まずは黙って2巻ぐらいまでは読むことをお勧めします。

最初は拒否反応があったとしても、慣れてくれば問題はなくなる場合もありますので。

『銀河英雄伝説』の見所

「艦隊戦」が見所です。

せっかくのSFで戦艦同士の戦闘がメインの作品ですから、やはり艦隊戦が見所でしょう。

「艦隊戦の壮大さをどう見せるのか」がコミカライズのポイントの1つになると思いますのでぜひ見て欲しいです。

『銀河英雄伝説』のKindle予約情報

なし。11巻が2018/9/19に発売されました。

『銀河英雄伝説』のKindle新刊既刊情報

最新巻11巻
発売日2018/9/19
次巻12巻
発売日情報なし
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七都市物語

「銀河英雄伝説」の田中芳樹さんの原作をコミカライズした作品です。

テーマも似ていますが、銀河英雄伝説とは舞台が根本的に違います。

  • 過去に宇宙に上がった人類が設置した防衛網で閉ざされた星が舞台
  • 宇宙どころか空も飛べない(一定の速度と高度の物体は衛生からの攻撃で破壊される)
  • 軍事力は海軍と陸軍

銀英伝の主要キャラに似た役どころの人物が多く登場するため既視感はありますが、上記の設定で辛うじて差別化されているのだと感じます。

舞台の特徴として、悪い意味では惑星内どころか都市間戦争のようなレベルでありスケールが小さい点は否めません。

良い意味では、世界に制限をかける設定(空が使えない)のため、ここがどうなるかで大きな転換点が生まれる可能性があり、そういう展開があるのではと先を楽しみにできます。

また、小さな都市同士、場合によっては複数市対1市のように細分化した戦場を設定でき、内紛を含めると数多くの場面を見ることができるでしょう。

基本的には領土争いや国家体制や国民のあり方などを下地にしつつ、場所や登場人物を変えながら主役達の活躍を群像劇で描く作品です。

そのため「銀英伝の感じでまた違った新作を読みたい」という方には、非常にストレートに要望に応えている作品のためお勧めできます。

『七都市物語』の特徴

  • 銀河英雄伝説と同種の群像劇
  • 政治や軍事における戦略や戦術
  • 局地戦(河口での海戦など)
  • 魅力的な天才や傑物たちの群像劇

『七都市物語』の絵柄

少し古さを感じる濃いめの絵柄です。

ただ古さといってもそこまで強いものではないので、ページを読み進めれば慣れて気にならないでしょう。

デッサンは狂わずしっかりしていて終止安定した絵です。

物語の設定上年齢高めの男性が多く登場しますが、顔のシワなどもしっかり表現できていて稚拙さや違和感はありません。

艦船などが多少おもちゃっぽく見えますが、原作者とテーマから入り込んだ先入観で「宇宙戦艦がでてくる」ような頭で見ているからではと思っています。

宇宙戦艦に対して通常の海に浮かぶ戦艦を見たときのがっかり感が原因、という感じでしょうか。

そういった先入観さえ自覚できれば、あとは特に気にもならないでしょう。

『七都市物語』の見所

「銀英伝と同種の作品」が見所です。

見もフタもありませんが、やはり「銀河英雄伝説と同種の物語を読みたい!」という欲求があるわけで、そこを満たしてくれるという意味では見所はここでしょう。

キャラクターの類似性もありますが、そもそも群像劇を1つ作れば大概の性格や設定は出し尽くしてしまう訳で、2作目が被らないはずもありません。

もっといえば「アルスラーン戦記」や「マヴァール年代記」などのキャラクターも含めると、似たキャラはもっと増えるはずです。

ですので、似ていることそれ自体は問題にしても仕方がなく、そういうキャラクターがこの作品ではどうい生きていくのかを見ることを楽しむべきです。

『七都市物語』のKindle予約情報

3巻が2018/11/20に発売されました。

『七都市物語』のKindle新刊既刊情報

最新巻3巻
発売日2018/11/20
次巻4巻
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図書館の大魔術師

植物性の紙と活版技術が存在する時代で、本が革表紙に包まれていて分厚く高価なものである時代が舞台のお話。

「大魔術師」とありますが、「魔術書を集める魔術師の旅」や「魔術書を使った魔術師同士のバトルもの」などではなく、もっと静かな作品です。

本の意義や価値を非常に丁寧に描いていて、それが物語の核になり主人公(エルフと人の混血?)を動かし行動させる物語です。

本を図書館で扱い世間的にも重要な職業と認識されているのが「司書」で、主要な人物だ就いている職でもあります。

現実の司書業務にも関連する内容に加えて、魔術の存在や動物と言葉を交わす(言葉以外でも意思を通じる方法がある描写ですが)などのファンタジー要素もあり、本から繋がる要素が含まれています。

そのため「司書=本の整理をしているだけ」というもではなく、プログラマを魔術師(ウィザード)に例えることもありますがそれの司書版というと分かりやすいかもしれません。

書物の修復自体が魔術的な役割を担うこともあり、日常的な業務にファンタジー的な別の役割も与えられているので、司書経験者にはまた違った楽しみ方ができるでしょう。

内容的にもですが漫画的にも読み応えがあり、一冊を読み終えたあとの満足感はかなりのものです。

余談ですが、物語のセリフでは「としょかん」を1文字で以下のように記述しています。

  • 「くにがまえ」の中に「書」

実は現代日本でも以下のような略語が使われています。

  • 「くにがまえ」の中に「ト」

この一文字で「図書館」と読ませる略語なので馴染みがない方には読みづらいかもしれませんが、業界用語でもあるので雰囲気づくりの重要な要素に思えます。

本を主題にした丁寧な物語は多くの人にお勧めできます。

『図書館の大魔術師』の特徴

  • 本を核にした物語
  • 少年の成長と冒険
  • 司書が重要な存在
  • 司書の現実の業務との類似性
  • 動物(幻獣的なもの含む)との意思疎通と交流
  • 妖精(ピクシー)のような小柄な種族

『図書館の大魔術師』の絵柄

丁寧かつ繊細な絵柄です。

キャラクターの造形、服装、小物、背景、モブ、etcの全てが高レベルで、絵に稚拙さはまったくありません。

世界丸ごとを描写するタイプの方のようで、コマの全てに一貫性があり、それが世界感を強固なものにしています。

顔の表現が微妙に古く、キャラクターの年齢と外見が微妙にずれているような印象もうけますが、設定などもあるでしょうし些細な点でしょう。

物語にしっかりと没入させてくれる良い絵です。

『図書館の大魔術師』の見所

「司書」が見所です。

「学者が無敵のヒーローに」という類いではなく、司書が概ね現実に沿ったちゃんとした職業として主役になっている点が良いです。

司書を単なる追加要素的な扱いにすることなく、地味な所は誇張せず地味に書きつつもしっかりと細部まで描いており、厚みを感じます。

また、業務に魔術に絡めて派手な演出もいれるなど見せ場を入れる要素が用意されていて、虚構の漫画として充分な見映えで表現されています。

司書職の人にも読んで貰いたいですね。

『図書館の大魔術師』のKindle予約情報

2巻が2018/11/7に発売されました。

『図書館の大魔術師』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/11/7
次巻3巻
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やわらかな鋭角

社会派の記者ものですが、ミステリーぽいもののオカルト系です。

過去の災害(というか事件というか)や主人公と妻の関係なども絡めつつカルト宗教の実態を探る、というのが当初見えるストーリーラインですが、潜入取材中にそのカルトの「神様」に関する絵を見たことでオカルト方向に流れていきます。

この「神様」が単なる精神的な空想ではなさそうで、社会派の漫画ではなくオカルトスリラーという位置づけがふさわしいでしょう。

ただし、現代の社会人が主人公のため、登場人物や物語の背景には現実感が強くその意味では「社会派」は外せません。

ファンタジーやSF、過剰なエロポーズやハーレムといったもの以外の、現代が舞台で大人が主役の漫画を読みたい方にはおすすめです。

『やわらかな鋭角』の特徴

  • 社会派オカルトスリラー
  • 記者が主人公
  • 過去のトラウマや辛い経験
  • カルト宗教とその神様

『やわらかな鋭角』の絵柄

中年男性もやや女性的な雰囲気が残る独特の絵柄ですが、しっかりした絵で描かれています。

作品的に人間の内面を除くという部分がありますが、表情や仕草に内面を語らせようという意図も見え、表情の作り方や見せ方に工夫が多く見られます。

背景もしっかりしており、現代の街並やオフィス内などもちゃんと描いていてレベルが高いです。

『やわらかな鋭角』の見所

「現代的な登場人物」が見所です。

主人公を含め、現代で職を得て活動している大人ばかりですから、現実世界のドラマのように人物に存在感があります。

それぞれの背景が全て語られることはないでしょうが、垣間見える部分が想像を刺激しますし、それがさらに厚みを持たせています。

オカルトに流れているので人間ドラマとまでいえませんが、人間の弱さや儚さなど登場人物自体に興味がもてるはずです。

『やわらかな鋭角』のKindle予約情報

なし。2巻が2018/4/13に発売されました。

『やわらかな鋭角』のKindle新刊既刊情報

最新巻2巻
発売日2018/4/13
次巻3巻
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蛍火の灯る頃に

竜騎士07さんが原作で「頃に」のシリーズです。

日本にある山間部の寒村が舞台で、祖母の葬式のために3組の親子と親類が集まるところからはじまります。

異界が現世を浸食するタイプの怪異におそわれ、その状況下でのサバイバルが主軸であり、食料や水などのライフラインの心配も描かれています。

親が先に全滅して子供が残るというのはよくある展開ですが、親としてある程度適切な判断と行動を行う点は親の人格を表現できているといえるので良い点かと思います。

生き残りの子供はニートだったり血のつながりが怪しい人物がいたりと、この辺りもお約束的な部分が多く、めたらしさはなくともキャラクターの把握が容易で話に集中しやすい作りです。

主人公達に特殊な能力はなく知識やカンで生き延びますが、過去の祖母との会話や風習などにヒントが隠されており、日本のオカルト伝記ものの良さが入っています。

なお、鷹野などクロスオーバー的な人物もキーパーソンとしてでてきます。

『蛍火の灯る頃に』の特徴

  • 竜騎士07さんの作品で「頃に」シリーズ
  • 日本の寒村を舞台にしたオカルト伝奇もの
  • 生き残りをかけたサバイバル
  • 過去の風習や逸話に隠されたヒントや真実
  • グロや異形
  • 地獄の世界と住人

『蛍火の灯る頃に』の絵柄

頭部と手足の先がやや大きめで、目や鼻などの顔のパーツが印象的な絵柄です。

顔や手足の先は人間の神経があつまっていて、知覚という意味でも感情の表現という意味でも重要な部分であり、そこが強調されたキャラクターデザインとホラーの相性は良いと思います。

異界、それも日本独特というのという表現は難しいですが、作画担当の小池ノクトさんは非常に雰囲気良く描いています。

『蛍火の灯る頃に』の見所

「日本らしい異界」が見所です。

異界というと西洋的といいますかヨーロッパのファンタジーな印象が強いですが、この作品では日本の異界にこだわっており、どのようにそれを表現しているかが見所です。

山間部の村という設定のため、日本を舞台にした日本のホラーの中でも昭和の古めのホラー映画のような「日常の面影が明確に残る異界」を楽しむ事ができるでしょう。

『蛍火の灯る頃に』のKindle予約情報

完結のためなし。

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最新巻4巻
発売日2018/4/12
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効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める

転生ものですが、時間軸を遡る人生やり直し系なので世界はそのままです。

生涯を魔導の研究と修練に捧げたものの、老人の時点でめざした方向性と才能の乖離が問題であると気付いて人生のやり直しを決意というのが冒頭の流れです。

老人が少年時代に戻るので知識や経験がチート能力のようなものですが、魔導の才能自体は生まれ持ったものでしょうからその意味では控えめなチートかもしれません。

とはいえ本来知り得ない魔法の技術を知っているアドバンテージは高く、効率的な修練を重ねることが可能になるため成長速度はチートそのものではあります。

可愛い女の子や色気のある女の子に囲まれて過ごすことになるようですが、中身が老人で体が子供という設定のために読者としてはどう読めばいいのか戸惑う作品です。

心や頭に合わせて老人視点なら孫ほどの年齢の女の子が相手になりますし、体に合わせて少年視点なら中身が老人設定を意図的に無視する形になり、この作品を読む意味もないように思えるためです。

感情移入がしにくいか作品もしれません。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の特徴

  • 人生をやり直す
  • 魔法特化
  • 中身と体の年齢ギャップ
  • 可愛い女の子とのハーレム

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の絵柄

絵自体は問題なくうまいといえるものですが、なぜか古さを感じてしまいます。

恐らくキャラクターの顔というか「目」の描き方が原因ではないかと考えていますが、あまり自信はありません。

多少ごちゃつきもキツく何を描いてるのか分からない時もあります。

悪くはないのによく見えない絵という印象です。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』の見所

「成長物語」が見所です。

人生をやり直す動機が魔導の再修練ですから、自分の望む方向に成長するために努力する物語となるため、必然的に成長過程が最大の見所になります。

知識はあれど能力が追いつかない状況(ゲーム的ですがレベルが足りてない状態)ですから、その時々に出来ることを裏技的なものまで駆使して行う必要があり、その創意工夫を見るのはおもしろいと思います。

攻略サイトを見ながらプレイしているような感覚で、「今このタイミングならあそこでああすれば経験値もお金も稼げる」などと考えて行動している様子を見ている感覚です。

『効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める』のKindle予約情報

なし。4巻が2018/4/12に発売されました。

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最新巻4巻
発売日2018/4/12
次巻5巻
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ノー・ガンズ・ライフ

「SFでハードボイルドの何でも屋」を非常にうまい絵で描く作品です。

依頼者からうける依頼をこなしながらメインストーリが進む、という構造はありますが、この作品はメインストーリーの部分が大半を締めるためオムニバス的な雰囲気はあまりなく、メインストーリーをしっかり読みたいという要望に応えてくれています。

この作品の世界では、大戦のなかで飛躍的に向上した技術を使って体の一部ないしほぼ全体を「拡張(=概ね機械化)」することが一般的であり、分かりやすいのは義足や義腕などの義肢が当てはまります。

拡張部分の操作には大なり小なりの「補助脳」が必要なようで、この補助脳が拡張者の弱点といえます。

主役は「銃頭」という異形であり拡張技術の産物といえますが、作中でも人に驚かれるレベルなので、異様な風体ではあるようです。

この主人公「十三(じゅうぞう)」が人体実験の被害者であり記憶をなくしたキーパーソンである「哲郎」と出会うことで、十三の過去にも深く絡んだ大きな事件に巻き込まれる、というのがメインストーリーです。

十三と絵の雰囲気から「酒とタバコと女が好み」と思われそうですが、実は「酒は好き」であっても、「タバコは生きるための薬摂取用」であり、「女の裸にあせる」というキャラクターであり所々にコメディ的な描写も挟まれているためそこまでストイックということではありません。

メカニックの少女「メアリー」はスレンダーで可愛らしいもののエロではなく、色気担当ともいえる復興庁(拡張者の管理や関連事件を扱う公的機関)の「オリビエ」は厚くぼってットした唇や魅力的な体のラインを誇るものの実際にはそこまで物語にエロは反映されておらず、エロ成分が薄いのも特徴といえるでしょう。

適度に抜けた部分もありますから、探偵や何でも屋が主役の作品を敬遠している方にもおすすめです。

『ノー・ガンズ・ライフ』の特徴

  • 何でも屋でハードボイルド
  • 世界を裏でも表でも牛耳る特定企業
  • 戦争が集結して日の浅い状況
  • 機械化された人体
  • 一部ではあるものの、公僕の勤めを果たそうする役人
  • 機械化による悲しみや怒りや幸福や喜びなどの物語
  • はすっぱで元気で可愛らしく、けなげなメカニックの少女

『ノー・ガンズ・ライフ』の絵柄

非常に上手いです。

線が堅く単調ではなく情感や勢いなどを表現していて、絵全体を作品の雰囲気に統合する役目を果たしています。

背景は建物やパースの構造がしっかりしていて、完成された空間の中をキャラクターが動き回る映画のような絵が楽しめるでしょう。

人物の顔も作品や作風にあっていて、かっこ良く、厳つく、可愛く、美しく、どれも魅力的です。

コメディ部分の力の抜けた絵もよく、シリアスの息抜きだからといって崩しすぎないバランス感覚が優れているように見えます。

『ノー・ガンズ・ライフ』の見所

「拡張者」が見所です。

拡張した理由はいろいろありますが、一般的なのは体の一部を欠損してそこを補うためです。

つまり拡張部分を見れば各キャラクターの人生がわかるようなもので、メインであれモブであれ人物が登場するたびに背景があることが感じられます。

モブ全員の背景など明かされるはずはありませんが、そういった多くの人物の生き様が感じられることで、メインキャラクターへの注目度が高まるはずです。

「彼は、彼女は、なぜそこを拡張したのか?」を考えながら見ることで、さらに作品を楽しめるでしょう。

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7巻が2018/8/17に発売されました。

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最新巻7巻
発売日2018/8/17
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双亡亭壊すべし

奇怪な館で起こる伝奇ものです。

「うしおととら」や「からくりサーカス」などの妖怪や化け物や人外のものと人間との物語を描かれる藤田和日郎さんの作品で、この作品も基本的には同じテーマだと思います。

1つの化け物屋敷が舞台としてはじまりますが、この化け物屋敷から宇宙の他の惑星や世界などの広がりつつ、さらにまた化け物屋敷内に物語が収まっていくなど、非常にダイナミックな構成です。

ごく少数の裏家業的なものとして霊能力や超能力が存在しており異能力戦闘のシーンもありますし、機械対化け物(超常の出来事や生物)という構図もあります。

独特のタッチなためグロを意識することはないですが、相変わらず手足が飛び散るモブが多いためグロが苦手な方は注意してください。

濃く魅力的なキャラクターを数多く揃えており、主役はいますが何人かのそれぞれの物語を総体的に見ることで1つの物語にするタイプのため、群像劇的な一面もあります。

今回は総理大臣も密接にかかわっているため現代的な政治や権力に触れる部分もありますが、ちょっとした要素という感じが否めず、「超常の出来事に政治力を使って対抗する」というようなものはありません。

もちろん政治力を使って根回しや自衛隊の動因、ミサイル攻撃などの実行を行っているのでその点では影響しているのですが、結果がでてくるだけで過程の政治闘争はほぼありません。

オカルト伝奇ホラーと人間讃歌と悲しくも熱い展開がお好きな方にはおすすめです。

『双亡亭壊すべし』の特徴

  • オカルト伝奇
  • 古い館もののホラー
  • 超能力・霊力・験力(修験者の法力)による異能力バトル
  • 人間の心の弱さや過去をえぐる話
  • キーを握るのは正気を保った平凡な人間
  • 小さな場面から大きな場面へ飛躍する展開
  • 銃火機や現代科学VS超常の生物や出来事

『双亡亭壊すべし』の絵柄

非常に力強く雰囲気のある絵柄です。

時には指や修正液をかけて削って描くなど、絵に勢いや感情を求め表現するタイプのため見せ場には異様な迫力があります。

単に激しい絵ということではなく、非常に柔らかい笑顔などもあり伝えたい感情によって最適な表現が用いられています。

そのため緩急が強く読後にはそれ相応の疲れを感じる程です。

デッサンの狂いということは基本的には感じないのですが、それは画面構成やそのシーンの描き方なので自由に変形させても違和感が出ないためで、画力よりももっと根幹的な構成力が優れているためでしょう。

『双亡亭壊すべし』の見所

「人間讃歌」が見所です。

いろいろな要素はありますが、結局の所は人間がそれぞれにどう対応して、何を感じ、どうなったのか、という点に焦点をあてているように感じられます。

全ては「人間」を描くためであると考えると、悲しい経緯や結末をも含めた人間讃歌がみどころだといえます。

『双亡亭壊すべし』のKindle予約情報

10巻が2018/9/28に発売されました。

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最新巻10巻
発売日2018/9/28
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異世界おもてなしご飯

乙女ゲー的な雰囲気のあるグルメ系の異世界ものです。

異世界に転移させられた2人姉妹のうち、聖女(勇者的な立ち位置)として呼び出された妹でなく巻き込まれた姉が主役です。

他の異世界ものと大きな違いとして、この姉妹の関係を活かした点が挙げられます。

ほとんど描写がありませんが、召喚した側の要望を叶えるべく妹が行動しているため、妹単体で召喚の本来の目的は果たせています。

結果として、姉は妹がお勤めを果たしている前提のため修行や戦場に出されることもなく、ご飯つくり専念できるという下地が作れています。

料理を作り、その料理で他者との関係を成り立たせる姉の柔らかな物語が楽しめます。

なお、家ごと城の敷地内に転移しているため、中世風の城と日本家屋が並んでいる状態です。

たまに市場に出かけたりしますが、基本的には日本家屋内で料理をしているシーンが多いため異世界感はお付きの異世界人ぐらいしかおらず、その点も他とは違う作品です。

『異世界おもてなしご飯』の特徴

  • のんびり料理漫画
  • 異世界なのに日本家屋内のシーンが多い
  • 乙女ゲー(女性主人公に対して多くの男性キャラクター)
  • 姉も妹もやや共依存関係

『異世界おもてなしご飯』の絵柄

少女漫画の印象を多少感じるハイレベルな絵です。

漫画家というよりはイラストレーター系の繊細な絵であり、テーマや登場人物にあった絵柄だと思います。

料理漫画ということもあり食材や料理の絵が頻出しますが、どれもちゃんと描けています。

表情も可愛らしく魅力的です。

背景もしっかり描いており、人物含めてしっかりとした絵で安心できる作品です、

『異世界おもてなしご飯』の見所

「姉」が見所です。

ストーリ上、本来求められているのは妹であるため、オマケ的な姉がどう異世界で過ごすのかというのが見所になると思います。

役割を与えられるわけでもなく日々を過ごす状況でどういう生活を送るのか?

その営みの結果どうなるのか?

世界を救う戦いの行方のような大層ものではなく、そういう状況に放り込まれた人物のそれほど波風もたたない生き方を追うのも良いものです。

『異世界おもてなしご飯』のKindle予約情報

なし。紙媒体は2巻が2018/10/4に発売されました。

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最新巻2巻
発売日2018/10/4
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シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説

異世界転生ものもいろいろ出ていますが、この作品はシロクマに転生です。

シロクマといえば寒冷地なのですが、単に「白い毛皮のクマ」という感じで舞台は温暖な森の中の模様です。

人語を話す2m以上のクマが主役(享年28才)のため、チート的な能力はありそうですがなによりもまず体格と筋力的に人間以上であり、物理的に敵なしという感じです。

獣人(ウェアウルフ)の姉妹を助けたことで共に暮らすようになるため、獣人の女の子を愛でる物語でもあります。

お決まりの獣人差別や奴隷的なものあるので、そういった基本は抑えつつ主役が少し変わったものをという方向けの作品です。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の特徴

  • 動物に転生
  • 獣人の少女
  • 虐げられた獣人
  • 森での生活

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の絵柄

シンプルな線で分かりやすい絵といえます。

主役が人間ではなくクマなので骨格などが気になる部分はありますが、デッサン崩れと呼ぶ程のおかしさはありません。

動物自体の描写は上手く、しっかりとした技術を感じます。

同様に森ということで背景には気やら草やらが多く出て来ますが、疎密をうまくつかっている印象で問題は感じませんでした。

獣人の少女など女性は可愛らしく描けていますが、モブの男性(ヤラレ役のひげ面中年男性等)の描写が案外良く、キャラクターは全体的に良い感じに見えます。

特筆すべき絵柄ではありませんが、安心して見られる絵だと思います。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』の見所

「主役がシロクマ」が見所です。

他の転生ものの差別化としてストレートに「主役を人でもモンスターでもなくクマにする(ただのクマということではありませんが)」という方法で解決を図っており、逆に言えばそこが全てです。

人間でない故のメリットデメリットを活かすか殺すかで評価は変わるでしょう。

『シロクマ転生 森の守護神になったぞ伝説』のKindle予約情報

2巻が2018/7/23に発売されました。

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最新巻2巻
発売日2018/7/23
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星界の紋章

原作は小説で銀河英雄伝説と同様にスペースオペラの名作であり相当古いのですが、この作品は2013年から開始されたコミカライズです。

テーマはボーイミーツガールといえるかもしれませんが。

絵柄は今時のものであり質も高いので、原作がいつのものであれ古さは感じないでしょう。

SFの宿命ともいえますが設定が非常に複雑であり、それを説明するために文章がかなりの比重をしめており、しかも読み飛ばすとわからなくなるので気が抜けません。

原作が小説のため物語世界が人物含め綿密に設計されているためちゃんとしたSFマンガを読みたい方におすすです。

『星界の紋章』の特徴

  • 架空でありながら重厚な設定を持つ世界
  • 宇宙空間での生活
  • 宇宙での単艦戦や艦隊戦
  • 壮大なスペースオペラ
  • 貴族の少女と元平民の少年

『星界の紋章』の絵柄

非常に上手い絵を描いています。
繊細な部分だけでなく大胆な部分もあり、全編見応えがある絵といえます。

主役の1人であるアーヴ貴族の少女「ラフィール」をはじめ、女性は美しさを基本に可愛らしさが表現されていますし、男性も年齢に応じた顔の表現しっかりしています。

反面、宇宙での艦隊戦や戦闘描写がかなり分かりづらくなってしまっています。

どちらがどちらなのか分かりにくく、砲撃の着弾の表現なのか戦艦の動作表現なのかも分からず、絵解きのようなことをしなければなりません。

艦艇同士の戦闘以外は問題ないのですが、戦闘含めての物語なのでこの点はマイナス要因です。

『星界の紋章』の見所

「スペースオペラ」が見所です。

壮大な物語で宇宙が舞台という漫画は少ないので、貴重な作品といえます。

単に宇宙が舞台の作品ではなく、宇宙に住む人々やその文明などが物語の場面毎の時点で切り取られたかのように描かれるため、大きな歴史の一部を垣間見ているように感じられます。

こういった宇宙を舞台にした大きな物語性はスペースオペラの醍醐味ではないでしょうか。

『星界の紋章』のKindle予約情報

6巻が2018/12/12に発売されました。

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発売日2018/12/12
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マージナル・オペレーション

現代戦争ものですが、子供を兵に使う傭兵集団の物語です。

主役の「アラタ」は30才にして7年ニートをしていた人物ですが、現状をなんとかしようと外資系軍事企業の面接を受けて…というのが冒頭の流れです。

ニートが実は非常に有能な戦略家(戦術家でもあり現場指揮官でもあり)というのがいわゆる「チート」ですが、ニートには何の才能もないということもないでしょうし、特定方面に希有な才能を持っていたのだと理解して読めばそれほど気にはならないでしょう。

話の流れ的に子供達を生き延びさせるために傭兵として鍛え運用する訳ですが、主導するアラタにしろ関わる大人はこの行為の問題を理解し苦悩を抱えてています。

物乞いで道端に転がるか、犯罪に手を染めるか、買春で稼ぐかという状況でできることは多くありません。

仕事と教育の場として、人を殺して自分も殺される傭兵の方がまだマシな人生を送らせることができるようにと腐心する様子がそこかしこに見て取れる、軽くはない作品です。

『マージナル・オペレーション』の特徴

  • 現代戦争
  • 街中などの局地戦
  • 日本が戦闘の部隊の話もあり
  • 子供兵
  • 戦略・戦術
  • 戦闘指揮
  • 軍事企業や傭兵

『マージナル・オペレーション』の絵柄

顔の凹凸表現とキャラクターの動きが弱いですが、充分に商業レベルの絵です。

また、銃器や装備の描写はよいですが背景は少し微妙です。

子供は巻を追う毎に成長の後が見えるため、1巻から通して読めば時間変化の描写にも気を使っていることがわかります。

戦闘描写は多いですが、グロと感じる絵はほぼありません。

『マージナル・オペレーション』の見所

「戦略」が見所です。

子供達のとの触れ合いや、局地戦での戦闘指揮なども見所なのですが、もっと大きな視点として以下の問題をどう解決するのかという意味での戦略が見所だと思います。

  • 貧困にあえぐ子供に何をしてやれるのか
  • 生きるためとはい子供に殺しをさせてよいのか

答えのない問いに思対して「傭兵にする」という選択を行い、その結果がどこに辿り着くのか。そこが見物です。

『マージナル・オペレーション』のKindle予約情報

11巻が2018/8/23に発売されました。

『マージナル・オペレーション』のKindle新刊既刊情報

最新巻11巻
発売日2018/8/23
次巻12巻
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